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(初版2006.3.14;微修正2014.10.16;更新2011.2.2)

在日米軍基地の目的は日本防衛ではない





防衛問題に関しては、一般国民は、同じ船に乗っているようなものである。だから、本来は、政治の対立軸にはふさわしくない。しかし、基本的知識が不足していたり、外国と結託して、権力を維持しようという勢力にあおられた人は違う見解を持つかもしれない。この小文では、少し、斜めから憲法9条を見てみたい。

●小学生の頃、憲法9条について習った。先生がどう教えたか忘れてしまったが、 私自身は、アメリカが日本を弱体化するための非武装だろうと考えて腹だたしい 思いを持った。

しかし、その後、中江兆民の「三酔人経綸問答」(1887年、明治20年)を読んで 意外なことを知った。非武装という思想は、18世紀からヨーロッパで論じられて きたのだ。日本でも、百年以上前に、この思想は詳しく検討されていたのだった。

だから、小学生時代の私のように「押しつけ憲法」だと思っていて憲法9条を否定 している人は、ちょっと立ち止まったほうがいい。GHQの憲法草案は、鈴木安蔵 などの憲法研究会の憲法草案をお手本にしたものだというし(※1)。

「三酔人経綸問答」は、『(当時の日本では)平和主義的な立憲君主制が妥当だとする 現実論の南海先生』と、『民主制・非武装論の洋学紳士』と、 『軍国主義・侵略論の豪傑君』が国家を論ずるという形式で書かれている。

桑原武夫によれば、中江兆民自身は南海先生(難解先生のごろ合わせか?)だけでなく、 洋学紳士や豪傑君の要素も持っていたという。

それでも南海先生に中江兆民の見解の重心があるとすると、 中江兆民は検討した上で、この非武装思想も、軍国主義も棄却している。

新聞のコラムなどで憲法9条が論じられる際に、カントの非武装論 『永久平和のために』が取りあげられることがあるが、詳細は触れられない ことが多い。

中江兆民は、カントの「永久平和論」についても取りあげているが、 最近の新聞のコラムよりは詳しく解説している。カントの論では、 全ての国が戦争をやめるには諸国が民主制をとらねばならないという前堤条件 があるのだ(※2)。この条件は現在は成立していない(※3)。

憲法9条を根拠にして自衛隊の存在について反対していた社会党は、 1994年に党首の村山富市が自民党と連立するために自衛隊を合憲とした。 しかし、社会党の分流である社民党は、再び自衛隊を違憲状態と明記して 非武装の日本をめざすという(東京新聞/2006年2月2日)。 全世界はいつ民主制で統一されたのだろう?

当時の欧米から見たら非武装に近い状態で鎖国していた日本が嫌々開国したのは、 鯨油(!)をとるための捕鯨の中継基地が欲しい米国に大砲で脅されたからだ。 そして、現在もアメリカの強欲と傲慢は直っていないし、産油地域などを支配するための 米軍基地としての日本の地政学的な価値は薄れていない。

そして周辺諸国もかつてのように日本に簡単に侵略されるほど弱々しくはない。

※1 鈴木安蔵を中心とした憲法研究会は、明治時代の自由民権運動の再興と見なせる。

※2 「三酔人経綸問答」で紹介されているカントの説で、「民主制なら戦争が起き にくい」というのは、君主制と違って直接血を流す者が意思決定の主体だから、 という論理である。

ところが「三酔人経綸問答」の説明と違って、カントは「永遠平和 のための条項」の1つとして共和制を挙げた。そして共和的体制を民主的体制と 混同しないようにと注意した。カントは民主制は必然的に専制政治であると 考えたのである。共和的であるためには代表制が必要だとして、 フリードリッヒ2世の「余は国家の最高の奉仕者にすぎぬ」という言葉を 代表制度の精神だという。カントが言う共和的体制とは[1](人間として) 社会の成員が自由であるという原理、[2](臣民として)すべてのものが唯一の 共同の立法に従属するという原則、[3](国民として)すべてのものが平等である という法則、これら三つをもとに設立された体制だという。また共和政治は、 執行権(統治)を立法権から分離するという国家原理だと述べた。

※3 現在のアメリカのように兵隊になるのが貧しい者だけという状態は君主制と 変わらない。

●しかし前述の状況は改憲論に直結するわけではない。成立時の過程や条文を よく読むと、憲法9条は見かけほど非武装論ではない。憲法制定時、衆院で改正案 を審議する委員会の芦田均委員長らの手で、九条二項の冒頭に「前項の目的を達する ため」という文言が書き加えられた。当時、この芦田修整について再軍備を可能にする ための修整ではないかという警戒が連合国側にあったという。

自衛隊の存在について解釈改憲と批判されてきたが、その解釈にはある程度は根拠がある と言えるのだ。

だいぶ以前のことだが、NHKが憲法制定時の事情について関係者に取材をしたTV番組を 見たことがある。憲法草案作成にかかわった米国側責任者のケーディスは、 日本は9条については、すぐに改憲するだろうと思っていたという。 しかし、解釈によって自衛隊を保持することについて、知恵だと思う、 とインタビューに答えていた。

●平和主義については動物行動学の進化的ゲーム理論も参考になる。

対立した場面で平和的に儀式的行動で解決しようとするタイプが多数派である 動物の集団を想定する。

そこに、突然変異で直接的闘争で結着をつけるタイプが生まれると、 そのタイプは圧倒的に有利になり増加するので平和主義タイプは進化的に安定でない。

逆に、直接闘争で結着をつけるタイプが多数派である動物の集団を想定する。

そこに平和主義タイプが突然変異で生じると、闘争では逃げるので勝つことはないが、 死傷することもないので有利になり増加する。つまり、闘争型も進化的に安定ではない。

結局、両方の行動様式を混合して使うタイプが進化的に安定だという。

●仏教はインドが発祥地であるのに現在はインドに仏教徒はあまりいない。

昔、イスラム勢力に攻撃された際に当時のインドの仏教勢力は、 戦時にも不殺生戒を守り降服した。しかし、異教徒の下で仏教徒でいることは 難しくイスラム教に改宗してしまった。

一方でヒンドゥー勢力はイスラム勢力と戦った。殺戮と破壊が今も続いている。 現代になって非暴力の仏教が見直されているという (『東京新聞』/保坂俊司「インド仏教の終焉」/2005年2月1、8、15日)。

●星新一『おみそれ社会』講談社(1970年)に「ああ祖国よ」という 面白短編小説がある。

独立したばかりの小国がアメリカと中立条約を結び、日本に宣戦布告して 米軍払い下げの小さな船2隻で日本に攻めてくるという話である。 日本はバタバタしたあげく金で解決するのだが・・・。

●非武装が非現実的だからといって軍隊礼讃というわけにはいかない。 自衛隊は、その出生時の事情がよくない。

アメリカ軍が朝鮮戦争で出て行く時に、日本の左翼勢力を警戒したアメリカが 日本に自衛隊の前身である警察予備隊を作らせた。つまり最初、 その銃口は日本人に向けられていたのである。

実際に自衛隊の銃が日本人に発砲される直前までいったことがある。 安保闘争の際に総理大臣の岸信介はデモ隊に対抗するため自衛隊の発動を要請した。 防衛庁長官の赤城宗徳に反対されて実行されなかったが、実行されたら多数の死傷者が 出ただろう。

旧日本軍は沖縄で日本人を殺害した。満州では民間人を置き去りにした。

常に軍事クーデターの可能性がある。チリの合法的なアジェンダ政権はアメリカのCIA と連係した軍事クーデターで倒された。 軍隊がいたからといって外国の干渉から自分の国が守られるとは言えないのだ。

2006年現在、自衛隊は米軍の下に機能するように再編されつつある。 米軍の司令部を日本本土に置くという。こんなことしてアメリカに日本を自分の 領域だと思わせたら、将来、日本に反米政権が出来たときに、アメリカが 自衛隊にクーデターを起こさせる危険を招くだろう。

●もう一度「三酔人経綸問答」を読んでみることを皆さんにおススメします。 現在のイラクを予見したような記述もあるので、ブッシュJrにも読ませたい。


■追記2006年9月17日:憲法九条の戦力不保持は昭和天皇の不訴追獲得の必要から 書き込まれたということは古関彰一や升味準之輔などにより既に明らかにされている、 と日本近代史が専門の加藤陽子が書いている(毎日新聞、2006年9月17日)。

■追記2007年5月1日:ベアテ・シロタ・ゴードンの話(東京新聞、2007年5月1日)。

ケーディスは亡くなる前、私に「九条の最初の草稿には、侵略戦争だけでなく、 自衛戦争もやってはいけないと書いてあったが、自分が消した」と言ってました。 彼は、どの国でも自衛権はあると思っていたんです。
■追記2006年9月17日:防衛庁は米情報機関との連係を強化するためワシントン に日本大使館から独立した事務所をつくる方針(毎日新聞、2006年9月17日)。

■追記2006年12月11日:『世界』(2007年1月号)の佐藤優・柄谷行人「国家・ナショナリズム・帝国主義」より;

(佐藤)駐米大使館員は160〜70人ですが、アメリカの内政を担当しているのは 1人です。防衛庁が合同情報本部をつくってもアメリカ班はない。アメリカは 調査の対象にならないのです。

(柄谷)しかし、アメリカを潜在的な敵国として想定しないというのは、信じがたい ですね。

(佐藤)国家として考えるときは、どの国も潜在的敵国と考えるのが「文法」です。 しかし、そうなっていない。

■追記2006年12月15日:現在、日本の右翼的言論は発狂の気配を見せている。 公安警察が政治的運動に微罪での逮捕を繰りかえすなど単に言論レベルで止まっていない。 精神状態に異常がある国家が軍事に関する縛りを緩めるのは危険である。 今日、防衛庁の防衛省への昇格がきまった。

■追記2007年2月25日:朝日新聞(2007年2月17日)によれば 元アメリカ国務副長官アーミテージの 「米日同盟−2020年までアジアをどう正しく導くか」(アーミテージ・リポート2) の日米関係の安全保障面の提言は以下のようである。

(1)効果的決定が下せるような政府組織を。
(2)同盟関係を抑制する憲法の改正論議を促進。
(3)自衛隊の海外展開を規定する恒久法を。
(4)防衛予算を増額。
(5)国連安保理常任理事国入り。
日本を完全に米国の道具と見なしている。

■追記2007年6月11日:日本テレビ(2007年6月6日)の報道番組『ZERO』によれば、自衛隊のイラク派遣に関するデモなどの市民運動を陸上自衛隊の情報保全隊が詳細に記録していた内部文書を、共産党が公開した。

志位委員長は自衛隊のこのような活動は法律違反だ、と中止を求めた。これに対して久間防衛相は、「文書が本物かどうかわからない」「隊員の家族を守る目的で情報活動を行った。違法性はない」との認識を示した。

イラク派遣をするかしないかというのは単なる政策であり、当然、国民の中に賛否があるべきものである。それを政権の判断を絶対として、それに反対する人間に敵対しようという自衛隊は国民のために存在しているものではない。米国のためにあることを示している。そして、国民を監視するというのは昔の憲兵政治への道でもある。

■追記2008年4月20日:東京新聞(2008年4月18日)によれば、名護屋高裁は 空自イラク派遣は憲法9条に違反するとの判断を示した。イラク特措法にも違反 しているとした。ただし慰謝料などの訴えそのものは棄却されており、 主文以外の判決文に法的拘束力はない。

■追記2008年11月29日:かつて自衛隊の銃口が国民に向いていたと書いたが、今もそれは変わっていないようである。旧日本軍の侵略を正当化する論文を書いて罷免された田母神俊雄・前空幕長の訓話を三宅勝久が週刊金曜日(2008年11月14日)で紹介している。

田母神は「今の日本の大学がやや左翼に乗っ取られたような状況から抜き出られない」と嘆いたそうである。大学が左翼だと断定すれば、専門の歴史学者のまともな研究を無視して、自分の妄想史観を正当化できるのだろう。

田母神は、日本は言論の自由がないと言う。「親日的な言論の自由がないのです。反日的な言論の自由はあるけど」と。これほど右翼言論が蔓延しているのにまだ不満なのだ。かつて同じような妄言を吐いて右翼の暴力行為を正当化していた右翼活動家がいた。

田母神は、「我々自衛隊は親日の代表みたいなものだ。だから、我々が外に向かって意見を言っていかなければならない。問題はなんぼ起こしてもいいから頑張って下さい」。そして「新聞は産経新聞を読まれたら良いのではないかと思います」としめくくったという。

右翼も左翼もそれ以外も含めて日本国民なのである。それを左翼は反日だと規定して国民に銃口を向けるならば自衛隊ではなく、自損隊である。内戦やクーデターや粛清の元である。イデオロギーで国民を定義したら国家は分裂する。

■追記2009年3月30日: 放送大学『人類の歴史・地球の現在('07)』第10回で、高橋和夫は戦争が繰り返される理由について、シュンペーター「帝国主義と社会階級」の主張を紹介している。

(1)戦いを生業とする階級が戦争を必要とする。

(2)強力な軍隊ができると、指導者は戦争の選択が容易になる。

つまり、自衛隊のような武装組織に対する縛りを緩めないほうが、国民にとっては安全なのである。

■追記2009年8月17日:東京新聞(2009年8月15日)の「揺らぐ憲法9条」(編集委員・半田滋)によれば;

政府の「安全保障と防衛力に関する懇談会」は4日、現行憲法で禁止されている 「集団的自衛権行使」の容認や海外派遣の「恒久法」制定を提言した。 これらの提言は2000年と07年に米国の知日派がまとめた対日要求の「アーミテージ・ リポート」と驚くほど似ている。
アーミテージのような米国の「知日派」は、親日派を意味しない。日本を道具として使う方法を知っているヤツラのことを意味する。それに尻尾を振るのが自民党政権である。

※関連追記(2009年11月12日):自民党の川口順子議員による国会質疑に関する東京新聞(2009年11月11日)の記事によれば;

「鳩山内閣に反発しているのは米国内の一部勢力」(元防衛大学校教授・孫崎亨)。孫崎さんによれば、反発をあらわしているのは、米政財界の意向を受けて日本政府の方針に介入し、日本の政治家や財界人を動かす「ジャパンハンドラーズ」と呼ばれる人たち。ゲーツ国防長官やキャンベル国務次官補らの勢力だ。一方、川口順子議員たちは「ジャパンハンドラーズと呼応する存在。これまでの自民党政権では日本外交の主流だった」という。しかし、「ジャパンハンドラーズとオバマ大統領との間には温度差がある」と。
いわゆる「知日派」はジャパンハンドラーズの別名である。米国の表現は直接的で、日本のマスコミの表現はゴマカシである。

※関連追記(2009年11月25日):東京新聞(2009年11月24日)によれば、麻生政権は、 米議会が設置した「戦略態勢委員会」に、現在米国が持たない地中貫通型の小型核の 保有が望ましいと指摘し、短距離核ミサイルの退役も事前に日本と協議するよう 求めていたという;

核軍縮に熱心なオバマ政権の登場を背景に、「核の傘」の確保を狙った外交工作を 展開していたことになる。 日本の工作を受け、「トマホーク」の延命を求める意見が米保守派から台頭。 「使える核」を求めたブッシュ前政権が小型貫通核の開発を目指したが、議会の反対で 挫折している。
東京新聞の記事は、麻生政権が自発的に対米工作をしたような書きようだが、 米国の軍需産業やタカ派の意向を受けた「ジャパンハンドラーズ」にあやつられて 言わされたとしか見えない。本当にダメなヤツラである。そして、新聞もちゃんと書く べきである。

■追記2010年2月22日:ハワイは独立した立憲君主国だったがアメリカに乗っ取られた。 これが起こる上で重要だったのは、白人に自由な政治・経済活動を許したこと、 真珠湾をアメリカの基地として独占的に使用することを許したこと、そして実質的に 非武装だったことだ。1893年、現地の米国軍人達が本国政府の許可を得ずに乗っ取った のである。

参考:放送大学「アメリカの歴史と文化('08)」

■追記2010年7月5日:アメリカは現在、日本(特に沖縄)に設置した米軍基地を独占的 に自由に使える。そうなったのは日本外交の敗北のためである。沖縄返還交渉の時、 米国はすでに核ミサイルを原子力潜水艦などから発射する戦略をとっていて、沖縄に 核を持ち込むことなんか問題ではなかった。だが、日本側のこだわりを見て、 交渉カードに使ったのである。日本は非常に高い買い物をしてしまった。その交渉で 交わされた日米密約の一部はすでに米国側から情報公開されているのに、外務省は それを認めず、日本に情報公開法が施行されることになると大量の文書を破棄して 日本の三流国家ぶりを世界に露呈した。しかも歴代の首相の中には、密約について 知らされなかった人物もいたという。こんなに劣悪な外務官僚なのに、彼らは自分達 を優秀だとうぬぼれている。外務官僚の生涯給与は、他の国家公務員と比較して2〜3倍 になる。

参考:NHKスペシャル(2010年6月19日)、週刊金曜日(2010年6月11日)。

■追記2010年10月18日:日本が米国への従属から脱するためには重武装が必要だと 主張する人がいる。しかし、これは正しくない。高度成長期前の農家の屋根裏などには 無毒ヘビのアオダイショウが同居したこともあったという。しかし、庭に有毒な マムシがいるのを見つけたら農家でも退治しようとするだろう。庭にアシナガバチの 巣があるくらいで大騒ぎすることはあまりないが、スズメバチの巣が家に出来たら 大騒ぎで退治する人が多い。北朝鮮や、イランが核武装することは、アメリカや イスラエルの攻撃を引き起こす可能性を高めているのだ。

週刊金曜日(2010年8月6日)によれば:

米政権は、大統領と国防長官、統合参謀本部議長の協議を受け、戦略核を一元的に 管理する戦略軍がOPLANと呼ばれる戦争の戦略文書を策定している。 オバマ大統領就任後、現行のOPLAN8010が策定されたが、 米国の核研究家ハンス・クリステンセン氏が今年2月、入手した内容の一部を公開した。 そこでは、6カ所が「敵対国」として列挙されながら黒塗りになっている。 クリステンセン氏はこれについて、「6つの潜在的敵対者に対して向けられた 核・非核双方を含む戦略的戦争計画」と説明。うち5カ所がロシア、中国、イラン、 シリア、北朝鮮であると指摘し、残りは「ミステリー」であると述べている。
「ミステリー」が日本である可能性はあると思うし、日本が重武装すれば確実に 日本は潜在的敵としてリストアップされるだろう。過去に米国に対する戦争を起こ した日本なのだから、猜疑心の強い米国が忘れているはずがない。 つまり重武装すれば安全という訳ではないのである。

※昔、日本が自衛隊で使う戦闘機を自主開発しようとした時に、米国が干渉したことが あった。米国の戦闘機を買わせる目的もあっただろうが、米国が管理できない形で 日本が兵器開発をするのが気に入らなかったのだろう。基本的に日本を信用していない のである。

■追記2011年2月2日:週刊金曜日(2011年1月21日)の ロバート・ナイマン(米国の軍事アナリスト)へのインタビューによれば、 在日米軍基地の目的は日本防衛ではない。米軍基地は自国の意志を押し付け、 政治的影響力を確保するためだという。

(成澤宗男):1992年に『ニューヨーク・タイムズ』紙がスクープした同年度の 「国防計画ガイダンス」は、米国の目的は「ライバル国の出現を阻止」し、 中東などエネルギー地帯の「支配権を維持」することだと宣言しています。

(ロバート・ナイマン):現在も変化はありません。それを実現するのが、海外の 軍事基地なのです。軍部にとっては、その数が多ければ多いほど、そうした野心を 実現する上で好都合と見なす。

(成澤宗男):日本の政治家は、「抑止力」という名目で米軍基地が必要だと主張して いますが。

(ロバート・ナイマン):米軍基地の目的は、日本を世界への出撃拠点にし、日本を 支配下に留めて、中国と手を結ばせないようにすることです。





著:佐藤信太郎
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