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■HP蜘蛛夢■


(初版1999.2.22;微修正2014.10.16;更新)

(メディアワークスの掲示板に人を介して投稿したものを再録)

小平市でのレセプト開示・その後の経過報告

(1999年2月22日小平市 佐藤)  1998年9月19日付けで投稿した件について、その後の 経過をお知らせしたいと思います。  この件とは、治療を受けた歯医者の医療費請求に疑問をもっ た私がレセプト開示を小平市に請求したら、市から問い合わせ を受けた歯医者が過誤修正を市に求め、元のレセプトが歯医者 に戻され、書き直されたレセプト(以下では改レセプトと略記 する)だけが開示され、元のレセプトが手に入らなかったこと です。  これでは私の不信感は解消しないし、このような非常識な情 報開示の扱いをする役人の感性も放置してはおけないと思いま した。小平市は東京都の指導に基づいていると言うので東京都 の役人と手紙や電話で話をしましたが、ちゃんと改善するとい う確信が得られなかったのでメディアワークスに投稿したので す。それが、医療情報の公開・開示を求める市民の会の98年 12月の厚生省交渉で取り上げられました。また、同じころに 朝日新聞の取材も受けました。 ========= その後 ==============================  98年12月21日 小平市から電話。「医療機関にレセプト 公開について問い合わせたときにレセプトの写しを添付するが、 それが市に残ってるので公文書の情報公開の手続きをすれば見 ることができるかもしれない。厚生省から資料を要求されてい る。将来は写しも公開するようにしなければならないかなと都 と話をしている」ということだった。  98年12月22日 市役所でレセプトの写しの情報公開手続 きをした。  98年12月25日 市役所から、申請した公文書公開ができ ることに決まったと電話。元のレセプトを受け取りに行った。 ついでにレセプトの書き換えを歯医者が要求したときに小平市 は東京都に直接相談したのかと聞くと、直接相談したという。 なぜ今ごろ文書が出てきたかと聞くと、私の要求が制度改革と いうことだったのでという。厚生省との交渉で取り上げられた こともきっかけらしい。役人は、レセプト本体はないのだが、 結果として同じもの云々という説明をした。  最初の改レセプトの開示では出てこなかった3月分、9月分 も出てきた。ざっと見ると、診療日数が毎月、1日ほど多くな ってる。何かせこい感じがしたので、もう少し確認すべきこと があると気がついた。元のレセプトでは初診日が2月になって たが本当は3月である。歯医者は単純ミスと言ってたが、もし かすると架空の2月分の請求がされてるかもしれない。  99年1月11日。再度2月分のレセプト開示請求をした。  99年1月13日 市役所から電話。話をしたいことがあると いうので出かけた。2月分を探してるうちに、最初の開示請求 のときに、レセプトが存在しないと通知された3月分の改レセ プトが見つかったという。B5からA4に変えたときなのでミ スが生じたらしい。最初の開示のときに3月の改レセプトが見 つからないので小平市は歯医者に確認したが請求してないとい う答えだったという。歯医者は2月と間違えたのかもしれない という。本来なら見つかりましたという文書と改レセプトの3 月分をすぐに渡すべきだと思うが、小平市が要求するとおりに、 2月分の開示請求の書類に3月分の改レセプトの開示請求の書 き込みを追加した。  99年1月29日 開示されたレセプトを受け取りに行った。 2月分のレセプトは存在しないということだった。 【元のレセプトの検討および改レセプトの再検討】 ●合計金額  市からの医療費の通知が自己負担分と不整合なので、私は請 求漏れがあった月の分が翌月に加算されている可能性を考えて いたが、歯医者は単純ミスによる誤記だと言い訳した。意図的 な過剰請求ならば継続的に多めに請求してるのが確認できるか もしれないというのが開示の主要な関心だった。
元のレセプトの合計金額自己負担分から推定される 合計金額
3月4万4810円9400円
4月2万6340円2万2333円
5月3万2540円7500円
6月4280円5000円
7月5180円4833円
8月1万0280円2966円
9月2680円0円
12万6110円5万2032円

 元のレセプトを見てみると、極端に多く請求してるのが4回、
多いけどわずかな違いなのが2回、ちょっと少なめに請求して
るのが1回。

 私の自己負担分は1万5610円、国民健康保険からの支払
は8万8277円(12万6110円×0.7)であるから歯
医者への実際の合計支払額は10万3887円と推定される。

 前の分析では3月の改レセプトがなかったので改レセプトの
合計点数は4067点だった。この合計点数から計算される自
己負担分は1万2201円になり、私は払い過ぎの可能性があ
ると書いた。今回見つかった3月分の改レセプトの点数を加算
すると合計点数は4840円。この場合、計算される自己負担
分は4840×10×0.3=1万4520円。改レセプトに
対する私の払い過ぎの額はかなり縮小した。

●診療実日数
 元のレセプトでは4月以外は、3月から9月まで毎月、実際
より1日だけ多く記載されている。そして、改レセプトでは一
律に日数を減らしたらしくて、妙なことに4月分は実際より少
なくなってるのである。4月は一番多く(8回)通院した月で
ある。水増しする必要がなかったのか、水増しを忘れたのか。
最初に私が開示請求したときに歯医者が私に電話してきて、会
って言い訳を聞いたが、その時に4月分だけの元のレセプトの
コピーを私に渡したのである。どのように手に入れたのかと疑
問に思ってたが、小平市が医療機関に問い合わせする時にレセ
プトのコピーを付けるのだとわかったのである。すると4月だ
けではなく、ほかの月のレセプトもあったはずなのに4月しか
見せなかったということになる。4月は、元のレセプトの中で
は請求額が自己負担からの推計と比べて極端に多めではないし、
診療日数も実際と同じ唯一の月なのである。

●筆跡
 歯医者が言い訳したときに、自分でレセプトを書いたのでは
なく外部に委託したと言った。元のレセプトと改レセプトの氏
名欄の筆跡は一枚を除いて、同じように思える。普通、ミスし
た委託先に再度、仕事させるだろうか。この筆跡は診察券の筆
跡と似ているので、歯医者が自分でやらなかったとしても身内
が書いたのではないかと思われる。

●虫歯治療
 歯医者が私に渡した4月の元のレセプトをもとにした前回の
分析では、傷病名部位の内容が実際に治療した位置と重複がな
いので別人のカルテが重なっていたという歯医者の説明は本当
かもしれないと書いた。しかし、公文書公開で元のレセプトが
でたところで見ると、3月分には実際の治療をした位置が含ま
れてたから、前回の解釈は成り立たない。
 私が治療したと自覚してる虫歯は1本である。しかし、改レ
セプトでは2本になってる。確かに、何でそんなところをガー
ガーやるのかと思った記憶はあるから2本目の軽い治療はした
のかもしれない。元のレセプトでは10箇所の虫歯を治療した
ことになってる。

●知覚過敏
 元のレセプトには6月以外、4月から9月まで5本の歯の知
覚過敏の治療をしたことになってる。実際はしてないし、改レ
セプトには書いてない。

●X線検査
 元のレセプトでは3月(標38×1)、4月(標38×1)、
8月(標38×1)に請求してる。改レセプトでは3月に(標
48×3)となってる。自覚してる限りではX線は撮影
してないような気がするが1枚は撮ったかもしれない。初診の
日の私のメモには検査としか書いてないのではっきりしない。
しかし、改レセプトの3回、あるいは3枚も撮影したというの
は違うと思う。

【歯医者の請求についての判定】

 この歯医者は、改レセプトあるいは自己負担分を基準にした
ら、元のレセプトでは結果として2倍程度の支払を受けていた。
歯医者は別人のレセプトが重なっていたためのミスだと言い訳
したのだが、診療日数のズレなど変だし、誤記とするには回数
が多すぎる。診療を受けてない9月の請求なども単純ミスとは
考えにくい。
 逆に歯医者の言い訳に整合するかもしれないのは、元のレセ
プトの初診日が2月になってたが、2月の元のレセプトは存在
しないらしいことだ。この部分は単純ミスという言い訳が本当
かもしれないと思わせる点である。また、最初に疑問を持った
5月分のように何倍も多い保険請求をしてるのは毎月ではない
ようだ。これは、単純ミスという説明に合うかもしれないが、
診療初期に請求額が多いというパターンに合わせた細工かもし
れない。
 私としては、黒っぽい灰色と判定したい。どちらにしても色
々な面でラフな歯医者である。


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